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九州南部からの梅雨入りと黒潮大蛇行の終息

25/5/19

5月16日の天気図

        5月16日15時の天気図  九州南部に梅雨前線がバッチりかかっています。
        これだと沖縄・奄美地方は梅雨明けしてしまったようにも思えます。出典(気象庁)

黒潮の流れ

   3月28日と5月8日の黒潮の流れ。5月8日には大蛇行が終息しているのがわかる。出典(気象庁)

寿司屋の写真

   先週、寿司屋に行きました。貝類が好きなので、いつも刺身の盛り合わせにアワビを入れてもらっています。
   黒潮大蛇行が終息すると、お手軽な価格になるでしょうか。




こんにちは、阿部秀之です。いやぁ、昨日5月18日は蒸し暑かったですね。最高気温は東京都心28.8度、大阪29度、名古屋30.2度。全国トップは大分県で32.6度だったそうです。5月後半でこの暑さなので、今年もまた猛暑が心配ですね。

さて、気象庁は5月16日に九州南部(宮崎、鹿児島両県の本土と種子島・屋久島地方)が全国に先駆けて梅雨入りしたとみられると発表しました。毎年沖縄・奄美地方からと思っていましたが、ほかの地域が先に梅雨入りすることもあるのですね。九州南部は例年5月30日頃、昨年は6月8日頃が梅雨入りだったので、平年よりも14日、昨年より23日早い梅雨入りだそうです。

そして気になって調べてみると、やはり沖縄・奄美地方以外の地域が先に梅雨入りするのは、1963年以来で62年ぶりだそうです。この年に最も早く梅雨入りしたのは東海地方の5月4日頃。沖縄地方は6月4日頃まで遅れたと記録にあります。ちなみに九州南部が最初となるのは1951年の統計開始以降初めてだそうです。

このような珍しいことが起きた理由は、梅雨前線の位置です。梅雨前線は太平洋高気圧が強くなるに連れて南から北へ移動していきます。なので沖縄・奄美地方が最初に梅雨入りし、九州以北が順に続きます。ところが今年は太平洋高気圧が強く、南から急に張り出しました。おかげで梅雨前線が沖縄を通り越して押し上げられてしまったのです。偏西風が平年より北に流れていることも影響しました。九州南部では今後1週間、曇りや雨の日が続く見通しだそうです。

この先も高気圧が強く張り出す状況が続くと南から湿った空気が流れ込み、梅雨前線が活発化する可能性があります。気象庁は九州以北の太平洋側ではまとまった雨に見舞われる恐れもあると、最新の気象情報に注意するよう呼びかけています。ところで沖縄・奄美地方は今年は梅雨入りしないのかといえば、答えは「いいえ」です。太平洋高気圧が弱まって梅雨前線が南下すれば梅雨入りします。今週末ぐらいではないかとのことです。

気象庁はもうひとつ興味深い発表をしています。2017年8月から続いていた紀伊半島から東海沖の黒潮大蛇行が5月8日現在見られなくなり、この先もこの状態が持続して大蛇行が終息する兆しがあるそうです。黒潮の流路は、船舶の運航や魚種・漁場の位置、沿岸の海洋環境等にも影響を与えるとのことです。

黒潮大蛇行の終息については水産庁からも発表がありました。大蛇行の影響で不漁が続いていた沿岸のシラスやイカナゴ、海藻類の漁獲量が戻る可能性があるそうです。暖流である黒潮が蛇行すると沿岸部の海水温が上昇します。そのため神奈川県沖の相模湾から三重県沖の熊野灘にかけて、小型の魚やヒジキ、ワカメなどの海藻類の生育環境が悪化したとされています。海藻を主食とするアワビ、サザエなどの貝類も不漁でした。これが、水温が下がって解決されるというのです。

ただ、喜んでばかりもいられません。大蛇行の影響でこれまで獲れなかったブリ、イワシ、サワラなどが北海道や東北で豊漁でした。大蛇行が終息すると、漁場はまた南下して元の漁場に戻るなど漁業全般に影響が出るといわれています。また、黒潮大蛇行が起きやすい状況は完全になくなったわけでないので、またぶり返す可能性もあると考えられています。気象庁は今後も観測を続け、7月頃に最終判断するとしています。

さて、話は戻って昨日の暑さの話です。数年前から続く猛暑やゲリラ豪雨は黒潮大蛇行の影響があるといわれていますが地球温暖化などの影響もあり、それだけではないそうです。なので大蛇行が終息した状態が持続しても日本の猛暑は変わらない可能性が高いのです。

温度はもちろん、亜熱帯化する日本では湿度が高い日が今年も続きます。梅雨入りが九州南部からになろうとも、黒潮大蛇行が終息しようとも、日本の6月からは東洋リビングの防湿庫の出番であることに変わりません。しっかりと準備して梅雨にカビに備えたいものです。

では、また来月!来月は梅雨真っただ中ですね。

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